真宙と距離を置くように言われて、一週間ほど経っただろう。


私はほとんど家に引きこもり、なにも食べなければ勉強もしていなかった。

ただ食卓椅子に足を抱えて座っているだけだった。


こんな過ごし方をしていたから、時間の感覚などないに等しい。


真宙のいない、非日常。


静かで暗くて冷たい私の部屋。


心に穴があいたような感覚。


目の前の食卓テーブルには、今朝ドアポストに入っているのを見つけた、この部屋の合鍵だけが置かれている。


それすらも、私の心を表しているように思えてくる。


ちなみに鍵と一緒に手紙もあり、そこにはこう書かれていた。


『早紀ちゃんのことを嫌いになったわけじゃない。一つのことに一生懸命になる早紀ちゃんを、尊敬している。でも、やっぱり、これ以上交際を続けるのは無理だ。ごめんなさい』


別れの手紙だった。


これを読んだとき、声が出なかった。

頭が真っ白になった。


結芽に言われた通り、私は真宙がいなければ生きていけなかったらしい。


これほど、なにも手につかなくなるとは、予想していなかった。


込み上げてくるのは後悔と悲しみだ。


もっと、真宙との時間を大切にしておけばよかった。

真宙と向き合っておけばよかった。