「このまま、皇宮にとどまるつもりだということも考えられるな」
「陛下がそれをお許しになりますか?」
「……アンドレアスに対する情もあるだろう。俺だって、それは否定できない。君は、甘いと思うか?」
「甘い……とは思います。このまま皇宮にとどまることをお許しになるのなら。でも……人間の心って、そう簡単に割り切れないものだとも思うんです」
たとえば、父がなんらかの罪を犯したとする。
そして、罪の償いをすることになったなら、レオンティーナは、父を助けるためにできる限りのことをするだろう。甘いと思われても、そしられても、それは譲れない。
「私だって、お父様を切り捨てろと言われたら、簡単にはできないと思います……いえ、無理でしょう、きっと」
前世なら、父をたやすく切り捨てたかもしれないが、今はできない。前世では家族の情なんてまったくなかったが、今回の人生では、互いを愛おしく大切に思っている。見捨てるなんてできるはずもない。
皇帝が血を分けた息子を、大切に思うのもまた当然のことなのだ。それを、とやかく言うことなんてできなかった。
「……そうか。そうだよな」
「陛下がそれをお許しになりますか?」
「……アンドレアスに対する情もあるだろう。俺だって、それは否定できない。君は、甘いと思うか?」
「甘い……とは思います。このまま皇宮にとどまることをお許しになるのなら。でも……人間の心って、そう簡単に割り切れないものだとも思うんです」
たとえば、父がなんらかの罪を犯したとする。
そして、罪の償いをすることになったなら、レオンティーナは、父を助けるためにできる限りのことをするだろう。甘いと思われても、そしられても、それは譲れない。
「私だって、お父様を切り捨てろと言われたら、簡単にはできないと思います……いえ、無理でしょう、きっと」
前世なら、父をたやすく切り捨てたかもしれないが、今はできない。前世では家族の情なんてまったくなかったが、今回の人生では、互いを愛おしく大切に思っている。見捨てるなんてできるはずもない。
皇帝が血を分けた息子を、大切に思うのもまた当然のことなのだ。それを、とやかく言うことなんてできなかった。
「……そうか。そうだよな」