戻ってきたロニーは、ソニアには頭が上がらないようだ。レオンティーナはふたりの様子を微笑ましく見守った。

（たぶん、前の人生では再会できなかったんだろうし……）

　前世では、ロニーは皇妃の暗殺部隊に所属していた。
　ソニアは子供達の養護施設を出た後職を転々とし、最終的には牢に入れられたレオンティーナの世話係に落ち着いた。
　ソニアはロニーに再会できることを願っていたようであるけれど、あの時の状況を考えたら再会できなかっただろうと思われる。
　だが、今回の人生では、一緒に働くことができている。
もし、ふたりが一緒になりたいというのであれば喜んで背中を押すつもりはあるけれど、今のところそういった話は出ていない。

「ロニー、アンドレアス殿下はどうだった？」
「うーん。あの人、妙なんですよね。お嬢さん――お嬢様達がお帰りになった後、博士のところに来て手を出したり、難しい顔をして話を聞いたりしてて。まあ、領主としての仕事をちゃんとやるようになったって点ではいいことなんでしょうが」

　戻ってきたロニーに、アンドレアスの様子を確認しようとしたら、考えながら口にした。