それとは違う、深い別の何か。その感情に名をつけるのであれば、友情と呼ぶのが一番近いのかもしれない。それも、単なる友情ではなく、強固な友情だ。

「私は……未来は変えられるものだと思うんです。急に変えることはできなくて、焦っても何も変わらないかもしれないけれど。それでも、変えられると思うんです」
「僕もそう思う。そして、そう思えるようになったのは、君のおかげだ」

 レオンティーナのしたことなど、たいした功績ではない。だが、皇宮に戻ってきたその日に、わざわざ自分の意志を告げに来てくれた、その気持ちが嬉しい。

「そうそう、ヴィルヘルムが寂しがっていたから、君も顔を出してあげてほしいな。また、図書館に行くんだろう」
「そうですね。今週は明後日、行く予定です」
「では、ヴィルヘルムにもそう伝えておく」

 また――と言い残し、ギルベルトは風のように去っていった。

(しばらく見ない間にとても大きく変わったわ……!)

 たった数か月会わなかっただけで、ギルベルトがあんなにも変わるとは思わなかった。
 考え方ひとつで、ここまで変化するなんて。