「けれど、今回の件で――僕にもできることがありそうな気がしてきたんだ。今まで重ねてきた勉強は、無駄にはならない。たしかに、僕に軍の指揮は取れないけれど、将軍達も参考になるって言ってくれたしね」
ギルベルトを戦地に赴かせる――危険な行動であったけれど、ギルベルトは無事にやり遂げた。
「でも、皇帝になるのは向いていないなと思ったんだ。ヴィルヘルムを見ていてね――だったら、僕は彼を支える立場につくのがいい。そう思ったんだ」
「……それは、その……とても……ご立派だと。国を支えるというそのお気持ちが、とても尊いもののように思います」
「だから、今日は君にお礼が言いたかったんだ。僕に、道を示してくれたのが君だったから」
「私は、別に……」
「君のおかげだよ。君が、行動を起こそうとする姿。僕はその姿に――魅了されたんだ。だから、ひょっとしたら僕も、君のようになれるかもしれない」
その声音から、ギルベルトの気持ちが痛いほどに伝わってくる。「魅了された」と彼は言うけれど、そこに男女の情愛はなかった。
ギルベルトを戦地に赴かせる――危険な行動であったけれど、ギルベルトは無事にやり遂げた。
「でも、皇帝になるのは向いていないなと思ったんだ。ヴィルヘルムを見ていてね――だったら、僕は彼を支える立場につくのがいい。そう思ったんだ」
「……それは、その……とても……ご立派だと。国を支えるというそのお気持ちが、とても尊いもののように思います」
「だから、今日は君にお礼が言いたかったんだ。僕に、道を示してくれたのが君だったから」
「私は、別に……」
「君のおかげだよ。君が、行動を起こそうとする姿。僕はその姿に――魅了されたんだ。だから、ひょっとしたら僕も、君のようになれるかもしれない」
その声音から、ギルベルトの気持ちが痛いほどに伝わってくる。「魅了された」と彼は言うけれど、そこに男女の情愛はなかった。