アコの背中に駆け寄ろうとした私を、光留の腕と男の怒鳴り声が止めた。

「黙れっ!!女っ。動くなっ殺すぞっ!!」

「橙子っ!危ないから下がってろ!!」

光留は痛いくらいに私の腕を掴むと自分の背後に押し込んだ。

「でも…でもっ!早くアコを助けなきゃ。アコが……死んじゃう…!!」

私の目から涙が溢れる。

「黙れっ!黙れっ!黙れっ!アコちゃんをこんなんにしたのはっアンタらだろうがっ!!
アンタらホストがぁーーーーっ!!
全員、ぶっ殺してやるっ!!」

「レイジっ…何があった?」

光留は両手を上げて…落ち着きを装いながらレイジ君に話かける。

とにかく…男を刺激しないように優しい口調で…その隙に私を部屋から逃がそうとする。