私は小さな手のひらの中で、ひまわりの種を数える煌君を見つめる。

守って…あげたい。

小さな…手。


「橙子先生……。」

煌君はふっと顔を上げて私の側へ駆け寄って来る。

園長先生が隣にいることを気にして…

「橙子先生…お耳貸してっ。」

「なぁに?」

私はしゃがんで煌君の言葉に耳を傾ける。

「種、お家に持って行っていい?パパにも見せてあげたいから…ひまわり。」

「(笑)うん。そうだねっ!パパに見せてあげたいね。」

私も煌君の耳元に小声で答える。

「園長先生、ひまわりの種をお家へお土産にしてもいいですか?」

「あら。いいわね!」

園長先生はにっこりと煌君の頭を撫でた。