「光留の…新しい女?」

「 …あの、私……」

エリさんは無表情で煌君の肩を掴んで、私から離そうとする。

困った顔の私の表情を読んで煌君が咄嗟に答えてくれた。

「僕の先生。煌の橙子先生。」

エリさんにはその訴えが聞こえない…聞かないのかもしれない。

「本カノ…だなんて思ってるの?」

「えっ………?!」

「寝ることには変わりないんだからっ…。
本カノだろうと、営業だろうと。」

ちょっと…待って! 煌君の前だよっ。

〝1、2回抱かれたからって、本気にすんなよ。そういう世界で…〟
陸斗の声が頭の片隅で木霊する。

「子供の前だから…そういうのは…。」

「煌は……光留と私の子供だからっ!
光留の誕生日を親子で祝ったっていいじゃない。そうさせてくれたっていいじゃない。」