「で、なにがあったの?」


無理に聞き出すつもりはないけど、知りたかった。


できるなら、その出来事を忘れさせてあげたい。


「竜也に、言われた」


やっぱり……。


「なるのこと、諦めてないからって。一回、告白された?」


「うん……」


ずっと、隠していたことを打ち明けた。


できるなら、知られたくなかった。


今なら、理由がわかる。


ゆうのことが好きだから。


「今、あいつのことどう思ってる?」


心なしか私を抱きしめる腕が震えた気がした。


「なんとも、思ってないよ。好きでも、嫌いでも」