望が作戦実行、と言わんばかりの表情で言った。


「お昼から、集合の30分前まで2人で過ごしてよ」


「……え?」


時間をかけても、出てきた言葉はそれだった。


「せっかくなんだから、2人で思い出作ってきて。私たちも2人でなんとかするから」


由依に言われて私たちは、顔を見合わせた。


「……そうする?」


「うん」


「決まりね!じゃあ、ここ出たら別行動しよ!」


きっと、由依も望も気がかりだったんだと思う。


私たちが2人きりでいたがらないから。


2人でいたいなんて思わないくらい、由依たちといるのも楽しい。


でも、2人でまわってみたい気持ちもあったから、嬉しかった。