「どう、したんですか?」

「俺、お前に忠告したよな?
あいつを信じるなって」

ぱたりと閉められた扉。 水槽の青白い光りだけが私達を照らしていた。

「朔夜さんの言葉を信じる理由も私にはない…」

彼はゆっくりと私へ近づいてきて、強く腕を掴む。

そのまま投げ出すような形でベッドに叩きつけられる。 その上を馬乗りになるように朔夜さんが覆いかぶさった。

甘いけれど、智樹さんとは違う匂いがする。

「お前、ムカつくんだよッ」

声を荒げた朔夜さんが次に取った行動は、私の水色のレースのワンピースの前ボタンを無理やり引きちぎる。

眉をひそめ、美しい瞳を細める。
それでも朔夜さんの取る行動に一つも抵抗はしなかった。

スカートは捲り上げられ、下着に手を掛けられても一切言葉も発しなかった。 闇の中に隠された、クリーム色の天井ばかり見つめていた。

愛は無くてもその行為が出来るのは、とっくに知っていた。
ただの肉片のぶつかり合い。 出し入れをして欲求を満たすだけ。

これから行われる行為には何となく想像がついて、抵抗の一つも声を上げる事さえしない。
朔夜さんの緑がかった瞳が、悲しく揺れる。