「智也、バースデーやってみないか?」

「バースデーですか?」

「バースデーは1番の稼ぎ時だ。智也、金必要なんだろ?」
 
もちろんオーナーにも借金のことは言ってはいなかったが、オーナーは俺が何か訳ありだということに気づいていたようだ。

「一応これでもこの業界長いからな~色んなホスト見てきたけど、ホストで働く奴もピンからキリまでいてな。ただ女が好きでヤリタイ奴、楽して稼ごうと思ってる奴、でも1番頑張れる奴は目標がある奴なんだよ。金を稼いで、何かしたいとかさ」

「でもオーナー、俺、誕生日もう終わっちゃってますけど」

「何バカなこと言ってんだよ、この世界誕生日なんていつだって良いんだよ。どうだ?やってみるか?智也ならバースデーで軽く1千万は稼げるんじゃないか?」 
 
俺はオーナーの言葉にすぐに頷いていた。
 

借金返済額を金額貯めるまであと数ヶ月は掛かると思っていた俺にとってバースデーという名のイベントは思ってもみない展開だった。
 
上手くいけば一日で全額貯めることができる。

いや、貯められるだけではない。

借金を全て返済して、貯金することもできるかもしれない。

「やります!」