俺は救いの手が今、ここに、現れたのだと思った。

出来れば一刻も早く金が稼げる仕事に就きたいと考えていたが、高校生が働ける仕事なんて時給も職種も限られていた。

夜の仕事は給料が良いとは知ってはいたが、知り合いもコネもない未成年の俺には、働きたくても不可能な話かと思っていた。
 

だが、今、俺は救いの手を握った。


不可能ではないのだ。
 

上手くいけば借金を返済して、お袋とゆっくりした生活が送れる。


借金が全て返済できなかったとしても、今よりはだいぶ生活は楽になるはずだ。