「なに、まじな話?」

「まじだよ、まじまじ」

「いつから働いてんの?ホスト」

「一年前くらいだよ」

「高校生って働けんのか?」

「働けるわけないだろ」

「拓真は老けてるもんなぁ」

拓真はまた俺の顔を見つめていた。

「って!老けてるとか関係ねーだろうよ、それに俺って老けてんのか?」

「ごめん、ごめん、そんなことよりそれで?」

「んで……俺の知り合いがホストクラブのオーナーでさ、一年前に人が足りないから働かないかって誘われて、ただの好奇心で働き始めたんだよ。手伝いってことで働いたからノルマなんて一切なかったし、好き勝手に働けたから面白くってさぁー俺、女好きだし、酒好きだし。もちろん店では年は偽って働いてたけど。でも楽しかったのも最初だけで、オーナーがブチきれちゃって。俺、気に入った女には売り掛けで飲ませてたんだわ。オーナーと知り合いってこともあったから、オーナーも見て見ぬフリしてたらしいんだけど、さすがに売り掛けがニ百万突破した時はオーナーにボッコボコに殴られたよ、回収してこいって。でも回収なんてできるわけなくってさあ。誰も払ってくんなかったよ。そんなこんなで今は働いて金を返してる状態。ただ働きだよ。はあ」

「まじかよ」

「大マジだよ、女から掛かってくる電話も売り掛けで飲ませて~♪とかそういう電話ばっかりでさ。俺って女に弱いからよ~厳しいこと言えねーんだよ。もしホストやってるなんてバレちまったら即退学だぜ、やべーよ。だからこの話は内緒だからな」


俺はホストで働いたことはなかったが話しでは聞いたことがあった。