俺と拓真の指定席は特に決まっておらず、タバコを吸う拓真のために、あまり人目がつかない場所を探しては座る。

座るとすぐに拓真は

「一服すんべ」

と言って飯より先にタバコを吸いだす。

「タバコはうめーけどこんな所センコーに見つかったら俺また停学くらうな。去年もタバコと恐喝で結局出席日数足りなくて留年になっちまったし、また留年するのだけは避けたいんだよなあ」
 
言葉とは矛盾した拓真の鼻から出る煙。

「じゃあタバコ吸うの辞めろよ」

思わず言ってしまった。

俺じゃなくても誰でも言ってしまうだろうよ、この状況なら。

拓真はタバコを消し、屋上から投げ捨てた。