「お前購買行く?購買寄ってから屋上行こうぜ」

「俺は弁当あるから今日はいいや。拓真は購買行ってこいよ」

今日もまた同じクラスの女子から手紙つきの弁当を貰っていた。

名前もまだ分からない話したこともない女の子だったが、昼飯代が浮いて腹が満たせるのは有難かった。

「お前また愛妻弁当かよ!お前ばっかり良いよなあ。俺にも弁当作ってくれる女いねーのかよ」

「そんなことより早く購買行ってこいよ。売り切れちまうぞ」

「はいはい、分かったよ」

「先に屋上行ってるから」

「おう」

拓真はふてくされながら、購買に走って行った。

屋上に続く階段を上がっていると、後ろからドカドカと走って階段を上がってくる音が聞こえ、振り返ると息を切らした拓真だった。

「買うの早すぎねーか?」

「急いで買ってきたよ。腹減って我慢できなくてよ~お前、飲み物なかっただろ?これお土産」

そう言ってコーヒー牛乳を俺にくれた。

「おう、さんきゅ」

「早く行こうぜ」