「飯食おうぜ」

柔軟体操以来、拓真と一緒に昼飯を食うようになっていた。

拓真と昼飯を食う前は、俺は屋上に上がり、周りの人に見られたくないのもあり、一人で昼飯を食べていた。

贅沢はできない俺にとって毎日の昼飯代も深刻な問題で、いくら腹が減っていてもパン一つ買うのが精一杯だった。

だが、入学してから少しすると有難いことに昼飯には困ることなく、腹を満たすことができた。

なぜなら知らない女子から弁当を貰うことが時たまあったからだ。

毎日ではなかったが、腹を空かせている俺はその好意を有難く受け取り、ご飯粒一つ残さないで弁当箱を返していた。