割の良い、時給の高い仕事を探していた時に、俺を救ってくれた奴がいた。

拓真だった。


拓真は同じクラスだったが、年は俺よりも一つ年上で、二年に進級できず、留年してしまったそうでクラスでも浮いた存在だった。 

年が上という気持ちがあるのか、クラスの人たちに対して威嚇するような大きい態度をとっていた。

それじゃあ友達なんてできるわけがないだろうと他人事ながら思っていたが、俺も俺でクラスから浮いた存在だった。


昔から友達と呼べる人は俺にはいなかった。

もしかしたらいたのかもしれないが、自然と友達と呼んでいた人たちもいなくなった。

それも今考えれば無理はなかった。

学校が終われば年を偽って働いていた俺には、友達から遊びに誘われても遊ぶことは出来なかった。

普通の中学生が過ごすようなただ遊ぶという時間も俺にはなかった。