高校に入学してからももちろん部活動なんてやるわけがなく、俺はバイトに明け暮れていた。

おふくろも俺の学費、親父の借金を返すために、朝早くから近くのスーパーでレジ打ち、夜はビルの清掃員をしていた。

俺はそんなお袋を傍で見ていて、おふくろの体が心配で堪らなかった。

俺もバイトをしていたが、稼ぎなんて学費の少し足しになるくらいで、借金返済に当てられるような金額ではなかった。

おふくろの負担を少しでも減らしたくて掃除、洗濯と自分ができることはなんでもやっていたが、それでは本当の意味でおふくろの負担を減らすことにはなってはいなかった。  


金が必要だった。
 



それも百万、二百万の額ではない。
 



もっと莫大な額の金が。