高校に行かないで働くと言った俺に、おふくろはこの時初めてかもしれない、声を荒げた。

「智也、高校には行って。お金のことなら大丈夫だから。智也には高校に行ってほしい」



おふくろの願いを俺は無視するわけには行かなかった。

俺の為に、生活の為に自分を犠牲にしてきたおふくろの願いを俺は叶えてあげたかった。