中学三年になった頃、俺は高校に進学しないで就職しようと思っていた。

中学も学費をなんとか捻出して通っている中で、高校に進学することなんてできないと思っていたし、これ以上おふくろの負担を増やしてしまうのが嫌だった。

おふくろの手は荒れに荒れてボロボロだった。

俺はニベアを買ってそっとテーブルに置いていたが、おふくろの荒れた手は治ることもなく、疲れも顔ににじみ出て、痩せ細り、その当時のおふくろは四十三歳だったが、白髪も多く、六十歳を過ぎたおばあちゃんに見える程、老いていたように思う。

だから俺は働きたかった。

働いて借金を返して、少しでもおふくろとゆっくり過ごしたかった。