「例えば……よくあるのが本気で惚れられちゃって、ストーカーになっちゃったり、殺されかけたり。ちょっと大げさだけど、そんな感じ。別れさせ屋の目的はさ、別れさせるためにわざと彼女に近づくわけだから、頃合いを見て結局は彼女からは離れていかなくちゃいけないわけでしょ?その頃合いが分かってる男じゃないと上手くいかずに女に逆恨みされちゃうわけよ。だからこういうところで働いてる女心を知ってる男の方が別れさせ屋のスタッフとして働いてもらうには有望なんだよね。でも私も馬鹿じゃないから、いくら顔が良くても責任感がない男、信用できない男にはこんな話はしないわ。智也とは付き合いも長いし、もしホスト辞める気なら良い機会かなって。それに智也は向いてると思うよ~仕事は仕事って割り切れて、感情が一切入らない智也は特にね。智也が本気で働く気あるなら、いつでも電話して。もっと詳しい話は智也が働く気になったら色々教えるから」


一通り話し終わると、エリコさんは俺の太ももさすり始め、耳元で囁いた。