拓真が俺の家に来るのはこれで二度目だ。

おふくろが死んで酒に溺れていた時、拓真は俺を心配して家に来てくれたっけ。

「お前のかーちゃんは良いかーちゃんだったんだな。俺にはかーちゃんいねーから、かーちゃんとの思い出があるお前が羨ましいよ」

拓真はそう言って線香を上げてくれた。
 
俺はその拓真の後ろ姿に向かって「ありがとう」って呟いたっけ。