「智也~やったね~!奥さんは喜んでいたよ~旦那が毎日帰ってくるって。成功報酬も貰ったし♪」

「それは良かった」

「でもここで智也が理恵から離れたらまた依頼人の旦那のところに戻る可能性があるから、気を抜かないようにアフターフォローよろしくね」

「分かったよ」

気があるような素振りをしつつ、適度な距離を保つ。

これが一番難しいそうだが、俺は問題なく、理恵との関係を築いていった。

ホスト時代も、女の気を惹きつつ、いかに金を使わせるか、俺は得意としていた。

そして潮時というのも心得ていた。

これ以上、金を使わせてはいけないと。

これ以上無理をさせたら、この女は立ち直れないだろうと。

俺は敏感に感じ取ることができた。

感情を押し付けられたら、上手くすり抜ける。

いつもやっていたことだ。

俺は同じような案件を何件も解決に導き、別れさせることに成功した。


俺は得意としていた。


愛人や浮気相手を除去する依頼が。