「智也~凄いじゃない、経過は順調ね~」

エリコさんは俺の腕の中で、満足気に微笑んでいた。

こうやって経過報告も兼ねて、エリコさんとセックスをした後、仕事の打ち合わせをするようになっていた。

「エリコさんに言われた通りやっただけだよ」」

「別れるのも時間のうちだね。それで対象者の理恵とはどんな感じ?」

「俺に惚れかかってるって感じ」

「さすがだね~ホスト時代の口の上手さはこの業界でも通用するってことね」

「ま、シナリオ通りに動いてるよ」

「それは良かった」

二度目の再開で元々ロマンティックな思考の理恵は俺を運命の相手だと思ったかのように、俺と理恵は急接近した。

しかも調査で理恵の好みや男のタイプを知っている俺は、理恵好みの男を演じきった。

俺の偽造した名刺を渡すと、理恵は目の色を変えた。

金があって、顔も良い男。

これは私の運命の人だと思ったに違いない。
 
「最終段階ねっ! 決行は土曜日だから。よろしくね」

「オーケー」