理恵がこの世で一番に嫌うというブサイクな男にナンパされ、困っているところを俺が助けるというシナリオの元に、運命の出会いを作り出す。

なんともドラマに出てくるような場面を、無理矢理にでも別れさせ屋スタッフは一丸となって作り出す。
 
もちろん理恵をナンパするブサイクな男も、別れさせ屋工作員だ。


対象者のタイプによって、出会いのシナリオが変わってくるという。

ロマンティックな思考を持つ対象者に対しては、ドラマティックな運命を感じさせる出会いを。
 
現実的は思考を持つ対象者に対しては、現実味のある出会いを。
 
俺が初めて任された案件はロマンティックな思考を持つ対象者の理恵と依頼人の旦那を別れさせるという依頼だった。

依頼人である奥さんと提携して、いかに出会いを効率の良いものにするか慎重に検討する。

そのため依頼人の旦那の行動パターンも徹底的に調べ上げ、愛人である理恵といつ密会しているのか、旦那が理恵といつ食事に出掛けるのか、奥さんにも協力を要請する。

リハーサルを何度も行い、理恵の心の隙間を狙うかのごとく、本番に挑む。


流れはこうだ。