夕べから降り続く雨は街中に水溜りを作っていて、
僕はそれをよけながら歩いて駅に向かった。

僕は各駅停車に乗り込むと、河野に返信をした。

『メールありがとう、
 僕が女だったら気があると勘違いするね。
 ところで、どこを旅行中?』

4つ目の駅で電車を降りコンビニで、
朝食と昼食の両方を購入した。

水曜だったけれど相沢からのメールを思い出し、
彼の分のタバコに加えて、
自分のメンソールも一緒に買っておいた。

北校舎1Fの教室に入り、
2限の予鈴と同時に席に着いた。

ケータイを確認すると、河野からメールが来ていた。

『お前が女だったら、
 俺より相沢とつきあってそうだけどね。
 俺はいま、地球の裏側にいる!』

僕はアルゼンチンとの時差はどれくらいなのか、
予想もつかないまま、返信をした。

『相沢がそっちに向かって穴を掘ってる。
 どこかで見つけたらよろしく頼むよ』