「はい公然猥褻!てかそうじゃなくて、
 島田はなんていうか自分で築いた
 勘繰りのピラミッドの頂上からいざ振り向くと、
 予想外に高くて降りられない感じなわけ」

「相沢くんの例えって、
 どんどんズレてって着地が予想できないね」

サキはすっかり僕にもたれかかっていた。

相沢は少し腑に落ちないような顔をして、
「料理はするけど、
 ぼく、後片付けは苦手なんです」

と言ってトイレに立った。

サキはその隙に僕の頬にキスをして、
小さく「好き」と呟いた。

僕はそのとき、
彼女の事を確かに愛しいと感じていた。

感じていたはずだった。