奈津美が無事に写真を収めたとき、 ドーンと一際大きな音を立てて光る 淡いピンク色の花火が打ちあがった。 それを奈津美が指差して僕に尋ねた。 「じゃあ、これは?何が入ってるの?」 僕は、サキのキラキラと光るケータイの ストラップを思い出して答えた。 「失くした恋、かな」 相沢はビールを飲み干して缶を潰すと、 「おまえはいつから野島伸司になったんだよ」 と言ってタバコを取り出した。