僕たちは土手からバスに乗り、
駅前にあるオーガニックカフェで
食事をすることにした。

ガラス張りで覗ける店内の席のほかに、
テラス席も用意されていたが、
ランチタイムは全席禁煙となっていて、
相沢の機嫌はあまりよろしくなかった。

相沢は「人種差別だね」と言って
腕を組んでいた。

「今日は健康的に行こうよ!」

奈津美は被っていたストローハットを
椅子に置いて水を一口飲んで言った。

僕と相沢が二人で食事をし、
ドリンク付のメニューだった場合、
僕たちは【食後】と言う頼み方はしない。

『食事と一緒に』と僕たちは言う。

相沢が頼むのは大抵炭酸飲料だったから、
食後のお茶、という感覚ではないらしい。

一方僕の場合、食べ終わって店員を呼ぶのが
面倒なので一度に配膳を終了させて欲しい
と思う理由から、そうしていた。