「それって夏バテに効く?」
僕が聞くと奈津美は、
フタをしめたペットボトルを僕に放った。
「試してみてよ、生活科学の自由課題、
水質汚濁の検証しようと思ったんだけど
それが人体に及ぼす影響まで考察できる」
「それならあれとどっちが体に悪いかも、
親友の健康のために調べてくれないかな」
僕が相沢を指差して言った。
「あと少し先でも200ミリリットル採りたいの
そしたら、体にいいもの、食べに行こう」
そう言って奈津美は少し下流まで走った。
僕と相沢は立ち上がって後を追った。
奈津美が3~400メートル先で再び
しゃがみこんでいたとき、
近くでバーベキューをしていた
男たちの二人が彼女に何やら話しかけていた。
いわゆる【ナンパ】をされてしまった
奈津美は立ち上がって僕たちを振り返った。