「今度からスロットでもらう
 メンソールはあいつに渡すことにするわ」

奈津美はレンガ色のバッグから、
黄色のハンカチに包まれたお弁当を取り出して聞く。

「何の話?」

「島田の男性的な機能不全を治すことと、
 浮気に泣く女子を削減する法案だよ」

僕はウーロン茶のフタを開けて
勢いよく喉に流し込んだ。


「島田くん風に言うと、
 それって都市伝説みたいなものだよ」

僕と相沢は目を見合わせて笑った。

「下ネタ平気な人?」

相沢が聞くと奈津美も笑い、

「そういう機能がおちる原因は、
 メンソールに限らずタバコ全般の影響だから、
 関係ないって短大のとき何かで習ったもん」

と言ってお弁当を広げた。