「なっちの連絡先、聞いたのかよ」
相沢の突飛な発言に、
ナポリタンを巻く手を止めて答えた。
「そのあだ名は本人の了承済みですか?」
「いや、【なっちゃん】と
どっちがいいか議会に法案を提出中だよ」
「参議院で、否決されるだろうね」
相沢のハヤシライスは、
ソースと白米の境目が分からないほどに
よく混ぜられていく。
「今日の昼は学食にいるからって
伝えたから、来るんじゃないかな?」
僕が言うと相沢は、
口に運んだハヤシライスをコーラで流し込み、
スプーンを置いて時計を見た。
「場所も正確に言ったのかよ、
てか、もう半すぎてるし」
暫くお互い無言で食事をしていると、
昼礼拝の終わる12時40分を告げるベルが鳴った。