4階まであがるとすっかり息が切れてしまった。 ゆっくりと廊下を進むと、 教室の前にルーズリーフが1枚落ちていて、 何やら構造式のようなものが書かれていた。 けれど、僕はそれが何を表すかよりも、 右下に小さく書かれた フラスコのデッサンがとても上手で、 思わず僕はそれを拾って、教室の扉を開けた。 扉を開けても微動だにしない、 茶色い髪の、細い肩をした この絵の作者が、 最前列の窓側に座っていた。