恋愛というものを意識しだしてから、
僕は特別自分のほうから告白をしたことはなかった。

自分の異性に対する興味というものは、
相手が自分に興味を持っていると知った以降に
初めて発生するわけで、
いままで何人かの彼女ができたけれど、
すべて相手からのアプローチによるものだった。

だから梅雨の終わりのこの日、
僕は人生で初めて、二つの感情を学んだ。




ひとつは、ひとめぼれ、という感情。


そしてもうひとつは、失恋する、という予感。