「...そうですか。来られる時になったら
是非いらっしゃってくださいね。
涼くん、うちの部の部長ですから。」

ふわりと微笑んだ咲菜の表情に
ドキリと胸が弾む、はずだった。

今の僕は、何も感じない。

僕の目の前にいるのは、かつて僕が
恋をしていた咲菜じゃないのだから。

あの頃の咲菜には、
きっともう2度と会えないのだ。

そう思うと、胸の高鳴りより先に
ズキリと胸が痛んだ。






もし僕に、時を操る能力があったなら。

記憶を失くす前の、君に会いたい。