──────コンコンコン



「失礼します……」



ガチャっとドアを開けると、その先には布団をかぶりながらベッドに座っている彼方くんの姿があった。

……お、起きてる………。
彼方くんは私を見て目を見開いた。


「あ、あの……彼方くん、大丈夫?」

「……っ」


彼方くんの近くに行き、私は持ってきた冷たい濡れたタオルを彼方くんに持っていった。


「彼方くん、熱すごいあったから。このタオルおでこに乗せて寝ててね」


そう言いながらタオルを渡すとビクッと少し顔を強ばらせた彼方くん。

……怯えてるの………?
そんな様子の彼方くんに気づかないフリをする

もしかしたら、彼方くんは………。