どれだけぼーっとしていたのだろうか。

気づけば女の人は運ばれていて、残っていたのは私と警察の人だけだった。

「大丈夫か?」

考え事をしていて話を聞いていなかったのだろう。

その一言で我に返る。

『あ、大丈夫です。』

あの人形のように可愛く、綺麗な黒のドレスを着ていた。

まるであの人形を再現したかのように。

昨日の事件現場からここはそう遠くはない。

ということは、この付近にDoll makerがいることになる。

『あ、あの…』

「なんだ?」

『路地裏の近くにショッピングモールがありますよね?そこに行きませんか?』

どうしてもあの人の意見が聞きたい、そう思い警察の人に言ってみる。

「何か手がかりでもあるのか?」

手がかりと言われれば手がかりでは無いかもしれない。

だが、同じ人形師ならば何かしらの思考が一緒のはず。

『少し気になることがありまして…』

警察の人の車に乗り私達二人はショッピングモールに向かった。


ーーーーーーーーーーーーーショッピングモールーーーーーーーーーーーーーー


ショッピングモールに着き、私は急いであの人形師の人の元へ行った。

『あ、あの!!』

「何かしら??」

女の人は店の番をしながら人形を作っていたところだった。

『少し聞きたいことがありまして…』

女の人は何か勘づいたかのように不気味に微笑んだ。

「あら。私でよければ答えるわよ??」

断られるのではないかと内心不安できたショッピングモール。

私は、胸をなでおろし質問をした。

『人形師ってみんながみんな同じ思考を持つんですか?』

「いいえ?みんながみんな同じ思考だったらつまらない作品しかできないわ。」

私の質問に考えることなく女の人は答えた。

『人形師は男の人もいるんですか?』

その質問に、女の人は笑いながら答えた。

「ふふっ。男の人の方が多いのよ?ここら辺で人形師は私だけだけど。」

その言葉に私は背筋を凍らせた。

(ここら辺の人形師はあの人だけ…)

いくらなんでも考えすぎだと思い、質問を続ける。

『人形は全てドレスで統一しているんですか?それともドレス以外の人形とかあるんですか?』

その言葉にまた笑みを浮かべ

「ドレスをテーマにしているのは私の好みなの。もちろんドレスじゃない人形を作る人だっているわ。」

私は生唾を飲み込んだ。

『Doll makerという殺人鬼はご存じですか…?』

女の人はまた不気味な笑みを浮かべた