……だめ。
利人に触んないで……。
そんなことを言う資格もないあたしは、黙って唇を噛むしかない。
「あれ? なゆちゃん、なんか今日スカート長くね?」
「え?」
「スカート。……あ、いや、ヘンな意味じゃないけど。いつもよりだいぶ長いな〜と思って」
「……ああ、これは利人が……」
言いかけて、いったん切る。
べつに、利人のために長くしたんじゃないし。
「アハハ、ほんと長いよね? やっぱり短くしよっかな」
そう言って、くるり。
腰に手を当てて、1折りしたところで
「なゆ」
と、利人の片手が阻止してきた。
なに、いきなり。
今まで生徒会の可愛い子と楽しそうに話してたじゃん。