ええと、大変だこれは。

制服濡れちゃった。

家に同じブラウスはあるけど、シャワーって着衣のまま浴びるものじゃないし?


お風呂につかるには脱がなきゃいけないし……。



新しすぎるシチュエーションに頭が追いつかなくて、利人が見てるのに危うくブラウスのボタンを外しかけた。



ハッとして慌てて手を止める。



「あ、あの、お風呂はひとりで入れるので……?」

「俺も寒いから入りたくなった」


「ええっ⁉」

「一緒入ろ、ね」



最後の「ね」に圧をかけてくる。

言ってることは100パーセント冗談なはずなのに軽く受け流せないのは……。



「なゆ」


見つめるんじゃなくて射抜いてくる瞳があたしだけを写して、まるごと支配しようとしてくるから。