シャアアアア……と勢いよく出てくるお湯。
唖然としながら、それをブラウスのまま浴びるあたし。
微妙にお湯がかからない位置に立ってる利人は、何考えてるかさっぱりわからない顔をして。
「俺は好きな女見てるとぶっ壊したくなるよ」
──────小さな声でなにか呟いた。
……え? なに?
「今なんて言ったの、」
好きな女、って聞こえた気がしたけど……。
シャワーの音が響く中、そもそも聞かせる気がなかったのか、たずねても返事はない。
「……利人?」
利人の代わりに、お風呂の給湯機がピーッと鳴って、「お風呂が沸きました」と喋った。
あ、お風呂沸いたんだ。早いなあ……。
どこか上の空でそう思ううちにシャワーは全身を濡らしていく。
シャワーのお湯、あったかくて気持ちいいけど、ブラウス……。