「……お前は、頭にお花いっぱい咲いてていいな」
皮肉めいた呆れ口調。
と、ちょっと切なく見えた表情のアンバランスさにいやな緊張が生まれて、反応が遅れてしまった。
「お、お花いっぱいってなに。それ、なゆのことバカにしてる……」
「あんな漫画に夢見るのもいい加減にしとけってハナシ」
「あんな漫画呼ばわりしないでっ」
トン、と利人があたしの横に手をついた。
その数秒後、カチャッと音がして、キイイ…とお風呂場のドアが開く。
それと同時に肩を押されて……。
……え?
「ほら早く入れって」
「え、おわわっ⁉」
無理やり浴室に押し込まれた。
そして利人は、なんの予告もなくシャワーを回した。