やっと帰してくれそうな雰囲気になって安堵したのもつかの間。
「てゆーか、聞いたよ〜? 誘われたら絶対乗るくせに、利人くん、最後まではしないんだって?」
今度はやけに吹っ切れた態度で絡んでくる。
「べつにいいだろ。相手を気持ちよくさせるだけなら方法いくらでもあるし」
「うわあ……。利人くんてセーヨクないの? 溜まってないの?」
オーバー気味に煽られるのを、笑って返した。
「まさか。僕だって健全な男子高校生ですのに」
むしろ、最近は生徒会の仕事が多すぎたせいで発散できてない、からな……。
例えば今、なゆの声聞いたら。
ふたりきりとかになったら。
……とか。
あー……サイアクだな。
想像しただけで……。
「ええ安心したよ〜。 だったら私でよくない?」
ハイハイ、と受け流して背中を向ける。
陽はすっかり落ちていた。