心の中ではそう叫びながらも、もちろん口にはできないから無言でニコニコ笑顔を保つのみ。
「オレも、なゆちゃんのお世話係として生まれたかったな」
「利人はお世話係じゃないよ?」
「え? あー、執事って言ったほうがよかった?」
「執事でもないよ。使用人とか、そーいうのじゃなくて、お目付け役」
お目付け役…とあたしの言葉を繰り返した斉藤くん。
「あたし、身の回りのことはちゃんと自分でするもん。利人は、あたしのことを見張るように言われてるだけ」
「へえ、そうなんだね〜」
軽く聞き流してる斉藤くんは、利人が執事でもお目付け役でもどっちでもいいみたい。違いなんか知ったこっちゃないって感じ。