あたしが裏で “恋多きワガママお嬢様 ” っていう立派に長いあだ名で呼ばれてるの、知ってるよ。


色んな男子とたくさん話してるせい。

……話してるだけなのに。



手を繋いだこともなければ、キスしたことだってないんだよ。

それなのに周りには、いつも男を誘ってるって噂を流されて、男好きだのビッチだの……時にはもっとひどい言葉を投げられることもある。


すべての原因が自分にあるのはわかってる。

利人の気を引きたくて他の男子と仲良くするってあたしの考えは幼稚すぎた。



でも、今さら……。

どうあがいたって、利人は振り向いてくれないのに……。



「アヤノ、」


あたしが力なく呟いたタイミングで、利人が相手に呼びかけた。



「もういいよ」

「え?」

「俺、なゆになら縛られてもいーから。あんま責めないでやって」