胸の傷跡見られたくない、そんな気持ちもあった。


手術しなければ、私は今生きているか分からないし、

これは翔馬が一生懸命私を助けてくれた印。



手術後も翔馬が処置をしてくれたから、翔馬だって私の傷はたくさん見てる。


だから、こんなのただのワガママ。


でも、やっぱり、好きな人に何回も見せたくないの…



「怖くないなら、早く終わらせちゃおう。
深呼吸していれば、すぐだからね 」


翔馬の手を掴んでも、全く効果がなくて、ポタンが外されていく。


空気が素肌に触れる感覚…


せめて下着、着てればよかったけど、パジャマ一枚…


無意識のうちに心臓の辺りを隠すように、手で覆ってしまう、



「陽菜、聴診器当てられないから、手、膝に置いて 」


「無理……… 」



どうしようもないこと言って、翔馬を困らせているから


怒られちゃうかなって、思い目をそらす。