「陽菜、おいで、少し診察するね 」


朝食を食べ終えて、自分の部屋に向かおうとすると、翔馬に抱き上げられてソファーに連れていかれた。



「やだっ、やだっ、やりたくない 」


「診察はしないとダメ 」


ビシッと言って、聴診器をカバンから取りだす翔馬。


なんとか逃げようと、体をモゾモゾ動かしてみたけど…


「陽菜、逃げないよ 」


翔馬の手が伸びてきて、逃げられないようにと、ソファーの背もたれに抑えられた。


慌てて押し返してみても、
男の人の力は強くて、動けない。



「パジャマのボタン外せる? 」


「………いや」


「怖い…? 」


泣きそうになっていると、腕の力が急に緩められて優しいまなざしを向けられた。


「…ううん、翔馬の診察は怖くない…。
でも、……… 診察嫌いなんだもん 」



それに………なぜここまで嫌なのかというと…