「…だとしたら、」
蓮は尋ねる。
「なぜ私たち三人を選んだのですか?」

「わーを、めっちゃ敬語」
鈴菜は笑う。

「当たり前でしょ女神様なんだよ!?」
蓮は鈴菜の頭を小突いてまたルーチェに向き直った。
「そのような重大な戦いをたった三人、それもまだ中学生の私たちに任せる理由を聞かせていただけませんか」

「それは…」
ルーチェが考えながら口を開こうとしたとき、実験室のドアが開いた。

「ただいま戻りましたぁ」
生物班の先輩たちと顧問が戻ってきた。
「一年生たち実験はどんな感じ??」

「あ、お陰さまで」
蓮がにこやかに返事をしながらさりげなく妖精たちが隠れた鞄を机の奥に隠す。
いつの間にやらルーチェも光になって消えてしまっている。なんとも都合がいい仕組みを持った女神様である。


結局その日は話ができないまま部活が終わってしまった。帰り道も弓道部終わりのゆずが合流するため話はできず(じま)いだ。