慌てて抱き上げようとしたけれど、まりあは泣き声をあげながら母の下へ走っていってしまった。二十一時近くで眠いこともあるようだけど、私の方にを見向きもせずに泣いている。

「ほら、まりあちゃん、ばあばとねんねしようね。陽鞠、あんたはごはん食べちゃいなさい」
「はあい」

私は無力感と罪悪感にしゅんとしながらダイニングテーブルについた。

「修二くんは父親としてまりあに何かしてやりたいだけだろう。おまえがそんなふうに過敏に反応するのはよくないぞ」

父が渋い顔で言う。
わかってる。わかってるけれど、私はまりあから懐柔しようとしている修二に怒りを感じる。復縁を申し入れられたことは両親には言っていない。両親はきっと大喜びだろうから。

夕食後、そっと覗きに行くとまりあは布団の上で大の字で眠っていた。お布団をかけなおし、ごめんねの気持ちで頭を撫でた。
あったかい。私の天使。いつまでも傍にいてほしい。
いろいろ考えてから、スマホのメッセージアプリを起動した。

【もう、プレゼント等送ってこないでください】

それだけ打ち、アプリを閉じた。礼を言わないのは、迷惑であるというメッセージだ。
返信はこなかった。