修二の部屋にたどり着いたのは二十一時近くだった。家にいるだろうか。オートロックではないので、直接部屋の前に行きドアチャイムを押した。
『はい』
ややして修二の声がインターホンから聞こえる。
「陽鞠です!」
間髪入れず怒鳴るように名乗った。
『え? 陽鞠!?』
修二が驚いている。突然訪ねてくるなんて思わなかっただろう。
すぐにドアが開いた。まだワイシャツにスラックス姿の修二。職場から帰ってきたばかりだったのかな。
私は修二の胸をぐいぐい押し、室内に押し込んだ。
玄関のドアを閉め、靴を脱いで勝手に上がり込む。リビングのローテーブルにちまきの紙袋をどさっと置いた。
「ちまき! 届けにきた!」
「んん、ああ。うん、ありがとう」
修二も混乱しているようで反応が間抜けだ。私は修二を見上げ、言った。
「矢沢さんに言われてね。私とまりあのせいで修二の仕事の調子が悪いとか? とんでもない言いがかりだから、修二に文句を言いに来たの」
「それは、矢沢さん、グッジョブだな」
修二がおかしそうに笑った。だけど、その顔が疲れてることくらい、私にはわかる。
「将来事務所を背負って立つ有望なイケメンエース弁護士が不調では困るんですって」
「なんか随分盛ってない? 俺への評価」
「修二を心配してるのよ。彼女も、ボスも。……私も」
そう言って、私はソファにドスンと腰かけた。
『はい』
ややして修二の声がインターホンから聞こえる。
「陽鞠です!」
間髪入れず怒鳴るように名乗った。
『え? 陽鞠!?』
修二が驚いている。突然訪ねてくるなんて思わなかっただろう。
すぐにドアが開いた。まだワイシャツにスラックス姿の修二。職場から帰ってきたばかりだったのかな。
私は修二の胸をぐいぐい押し、室内に押し込んだ。
玄関のドアを閉め、靴を脱いで勝手に上がり込む。リビングのローテーブルにちまきの紙袋をどさっと置いた。
「ちまき! 届けにきた!」
「んん、ああ。うん、ありがとう」
修二も混乱しているようで反応が間抜けだ。私は修二を見上げ、言った。
「矢沢さんに言われてね。私とまりあのせいで修二の仕事の調子が悪いとか? とんでもない言いがかりだから、修二に文句を言いに来たの」
「それは、矢沢さん、グッジョブだな」
修二がおかしそうに笑った。だけど、その顔が疲れてることくらい、私にはわかる。
「将来事務所を背負って立つ有望なイケメンエース弁護士が不調では困るんですって」
「なんか随分盛ってない? 俺への評価」
「修二を心配してるのよ。彼女も、ボスも。……私も」
そう言って、私はソファにドスンと腰かけた。